『文庫 異邦の仔』
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【気になる!】文庫『異邦の仔』
[レビュアー] 産経新聞社
イラン・イラク戦争開始当時、日本の建設会社が工事を行っていたイラク。そこでアルバイトをしていた日本人が帰国して34年、爆弾テロに巻き込まれる。その裏に浮かぶ思わぬ影-。
40年前の当時、実際に日雇いのアルバイトでイラクに赴き、戦争に巻き込まれた壮絶な実体験を基に描いたサスペンス。7年前に出版した単行本は売れず、作家稼業にも影が差した。
ところが、バイト体験をウエブマガジンに投稿したところ「すごい!」とSNS上で火が付き、お蔵入り同然だった文庫化が実現した。ネット上の戦火もくぐり抜けた、まれな作品だ。(西川司著、実業之日本社文庫・780円+税)