相手の自己重要感を高めよう。良好なコミュニケーションを生む4つのポイント

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人を立てるとうまくいく

『人を立てるとうまくいく』

著者
植西聰 [著]
出版社
祥伝社
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784396317973
発売日
2020/12/11
価格
858円(税込)

書籍情報:openBD

相手の自己重要感を高めよう。良好なコミュニケーションを生む4つのポイント

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

いつの時代にも、うまくいかない人間関係は人を悩ませるもの。そのことに関連し、『人を立てるとうまくいく 人間関係に悩まなくなる93のコツ』(植西 聰 著、祥伝社黄金文庫)の著者は、自己啓発作家として知られるデール・カーエギーの以下のことばを引用しています。

人間は本能的な欲求として、 「自分は重要な存在であると思われたい」 「他人から能力を認めてもらいたい」 「他人よりも優れていたい」 「周囲の人から尊敬されたい」 という欲求を持っている。

これを自己重要感という。

この相手の自己重要感を高めてあげれば、その人はこのうえない幸福感・満足感・喜びを得ることができ、そうしてくれた相手に好感を抱くようになる。(「はじめに」より)

他人の自己重要感を高める、すなわち「人を立てる」ことができれば、人間関係はうまくいくということ。まずは、その自己重要感を高める必要がありそうです。

著者によれば本書は、自己重要感を高めるためのポイントを体系化し、具体的なテクニックを交えながら、わかりやすく説いたもの。

きょうは「人の話を聞く」ことの大切さについて触れた第2章「『耳を傾ける』は相手を立てる重要な技術」のなかから、いくつかのポイントを抜き出してみることにしましょう。

人は自分に共感してくれる人に好感を抱く

人間は誰でも、自分の体験したことを人に伝えたいと無意識に望んでいます。 そうすることで、共感してもらうことを望んでいます。

共感してもらえば、自分の価値が認められたことになります。

自分の価値が認められれば、自分の存在感そのものが高まります。その結果、自己重要感が満たされることにつながっていくのです。 (49ページより)

つまり相手の心を開かせるためには、相手の話に耳を傾けることが大切。いいかえれば、人の話に耳を傾けることは、相手を立てることになるというのです。(48ページより)

人は話すことによって、心が癒され、快適になる

著者は、「ひとりでいる時間を少なくして、できるだけ人と会ったほうがいい」と警告する精神科医は少なくないのだと指摘しています。

長期の休日をひとりで過ごすと、寂しさを感じたり、孤独感に襲われたりするもの。そんな状態が長く続けば、うつ状態になるなど、心の不調につながりかねないというのです。

しかし人と会い、会話をすれば、寂しさも孤独感もまぎれます。

会話をすることによって、心の内にある悩みや不安や苦しみといったマイナスの思いを言葉で表現すれば、なんだかスッキリしてきて、快適な気分になれます。

これを心理学では「カタルシス効果」といいます。(50ページより)

会話をすると、なぜマイナスの感情がプラスへと切り替わるのでしょうか?

それは、相手に話を聴いてもらい、自分の思いを認めてもらえれば、安堵感・満足感がえられるからだそう。その結果、自分の存在感、つまり自己重要感が高まるということです。

いわば人は話すことで、自分の自己重要感が高まることを望んでおり、その願いを叶えてくれる人を無意識に求めているというのです。

そう考えると、「耳を傾ける」行為が人を立てるうえでいかに重要かがわかるのではないでしょうか。(50ページより)

「聞く」から「聴く」へと意識を切り替える

「聞く」と「聴く」の違いをご存知でしょうか?

一般的に、「聞く」は「自然に耳に入れる」あるいは「音声を耳で感じ取り、情報として認知する」という意味合いで使われるもの。

対する「聴く」は、「心を落ち着け、集中しながら、真剣に耳に入れる」という意味合い。

つまり大切な話を前にしたときには、意識を「聞く」から「聴く」へ切り替える必要があるわけです。

この「聞く」から「聴く」へと意識を切り替える姿勢は、人の話に耳を傾けるうえでも大切になってきます。

相手のことだけに意識を集中すれば、相手が言おうとしていることが的確につかめるようになります。

また、相手は相手で「この人は私のために真剣に話を聴いてくれている」と思えてくるため、この段階で、早くも自己重要感が高まります。(53ページより)

そのため、聴く側(傾聴)と話す側(発話)の波長もぴったりと合うようになるということです。(52ページより)

オープン・クエスチョンを心がける

人に話を聞く際には、心理学でいう「クローズド・クエスチョン」ではなく、「オープン・クエスチョン」を心がけることが大切だと著者。

クローズド・クエスチョンとは、相手が「はい、いいえ」でしか答えられないような、回答範囲を限定した質問の仕方をいいます。

いっぽう、オープン・クエスチョンとは、回答範囲を限定することなく、相手に多くのことを自由にオープンに語らせることで、話題を膨らませたり、深めていくための質問の仕方をいいます。(59ページより)

オープン・クエスチョンには、「あなたに関心を寄せています」「あなたのことを気にかけています」という相手の自己重要感を高めるためのメッセージが含まれてもいるもの。

したがって、相手に多くを語らせ、自分が聴き役になるためには、オープン・クエスチョンを心がけたほうがいいということです。(58ページより)

本書に書かれていることを人生の指針として心がけていけば、仕事も人間関係も驚くほどうまくいく。著者はそう確信しているそうです。

うまくいかない人間関係の悩みを抱えている方は、参考にしてみてはいかがでしょうか?

Source: 祥伝社

Photo: 印南敦史

メディアジーン lifehacker
2021年1月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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