アフガニスタンで用水路建設や医療活動を続けるさなか、凶弾に倒れた中村哲医師。本書は、死の2日前に本紙に掲載された寄稿をはじめ、本人による過去の時事評論や随想を再編集した。干ばつや飢餓と闘う現地の暮らしぶりを捉えた写真も多数収録。「そこに暮らす命がある」と実感させてくれると同時に、「目をそらすな」と著者に叱咤されるかのようでもある。異常気象が多発し、自国第一主義がはびこる今日、著者から学ぶべきものは多い。1650円。ビジネス編集部=092(711)5523。
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2021年1月16日 掲載
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