【気になる!】文庫 『片隅の人たち』常盤新平著

レビュー

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片隅の人たち

『片隅の人たち』

著者
常盤, 新平, 1931-2013
出版社
中央公論新社
ISBN
9784122070202
価格
946円(税込)

書籍情報:openBD

【気になる!】文庫 『片隅の人たち』常盤新平著

[レビュアー] 産経新聞社

 直木賞作家、翻訳家の著者による自伝的連作短編集。1950~60年代に翻訳者を目指す主人公と個性的な先輩や仲間、恋人(のち妻)との日々を描く。

 主人公が探偵小説を好きなのは「世の中からあぶれたような探偵たちに親近感」をおぼえるからだが、著者は当時の翻訳者たちにも「世間の片隅で暮していたよう」と述懐する。約30年前の単行本の文庫化で、後日談ともいえるエッセー2編を収録。どこか懐かしい文章が胸にしみる。

 登場する翻訳者のモデルを「推理できるゲーム的な楽しさ」もあると翻訳家、青山南氏の解説も楽しい。(中公文庫・860円+税)

産経新聞
2021年1月31日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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