【今週の労務書】評価をしない評価制度 榎本あつし著

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評価をしない評価制度

『評価をしない評価制度』

著者
榎本あつし [著]
出版社
アニモ出版
ISBN
9784897952451
発売日
2021/01/15
価格
2,200円(税込)

【今週の労務書】評価をしない評価制度 榎本あつし著

[レビュアー] 労働新聞社

在宅勤務対応のヒントに

 本書が提唱する手法は、評価の代わりに社員へ日々の行動の記録(=求められる行動をとったか否か)を求める。上司は評価・採点しないので、査定昇給は行わない。上司の負担は減るし、個人差も付かないから部下の不満もなくなる――と著者は主張する。行動分析学の理論に依って、良い結果をもたらした行動は自ずと繰り返されると説く。部下の行動が視認できない在宅勤務への対応を考える際には、ヒントになろう。

 併用すべき制度として、独特の役割等級、賃金制度も紹介している。査定昇給はないが等級間で自動的に昇給格差が付くため、昇格運用にかかるインパクトが大きい。他方で管理職とリーダー層には、会社の業績次第で一律の降給もあり得る仕組みとしている。

労働新聞
令和3年2月8日第3292号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

労働新聞社

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