【児童書】『とりあえずまちましょう』五味太郎作 我慢の先には何がある

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とりあえずまちましょう

『とりあえずまちましょう』

著者
五味太郎 [著]
出版社
絵本館
ISBN
9784871104470
発売日
2020/09/01
価格
1,430円(税込)

書籍情報:openBD

【児童書】『とりあえずまちましょう』五味太郎作 我慢の先には何がある

[レビュアー] 正木利和(産経新聞編集委員)

 たとえば、カップラーメンだってお湯を入れてできあがるまで最低3分は待たなければならない。

 通勤・通学のバスや電車から始まって眠りにつくまで、ひとが何かを待っている時間というのは、1日にどれくらいあるものだろう。それが積み重なって、人生の単位で考えるとすれば…。

 ページをめくるうちに、ついついそんなことを考えてしまった。

 本書の最初に登場する日本料理のフルコースなどは、待つこと自体にわくわくするような楽しみがある。ほかにもトイレの順番を待つ長い列なんていうのもあれば、夜空を見上げてUFOを気長に待つ親子も登場する。

 世の中、とりあえず待たないといけないことの何と多いことか。

 でも、待つという辛抱、我慢の先には、なにかいいことがある。たとえばゲームでじっと耐えた先にチャンスが見えるような…。

 今回のコロナ禍も、そう信じて過ぎ去るのをじっと待ちましょう。(絵本館・1300円+税)

 正木利和

産経新聞
2021年2月14日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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