アニメと鉄道ビジネス 栗原景著

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アニメと鉄道ビジネス

『アニメと鉄道ビジネス』

著者
栗原景 [著]
出版社
交通新聞社
ジャンル
産業/交通・通信
ISBN
9784330083209
発売日
2020/12/15
価格
990円(税込)

書籍情報:openBD

アニメと鉄道ビジネス 栗原景著

[レビュアー] 梅内美華子(歌人)

 キャラクターが描かれたラッピング列車が今や日本のあちこちを走る。世界に類を見ない不思議で祝祭的な光景である。アニメと鉄道がコラボしたのはいつからだろう。そんな素朴な疑問に熱く答えてくれるのが本書である。

 日本で鉄道をテーマにしたアニメが登場したのは昭和4年で意外に古い。そして戦後、鉄道もアニメも飛躍的に進歩する。名作「銀河鉄道999」から、戦うロボットに変形する新幹線アニメまで。人気とともに鉄道会社とコラボし、版権収入、関連商品など双方の宣伝効果が得られるビジネスモデルができていった。

 また、アニメに描かれた場所を訪れる「聖地巡礼」のファンを受け入れ、町おこしに成功した例は新たな可能性を加えた。民営化したJRや沿線開発を進めた私鉄、その社会の変容と重なり絡み合いながら、現実と虚構を同じ線上で楽しむカルチャーが生まれたのだ。

 広告会社などの関係者、アニメファンや地域住民へのインタビューが盛り込まれ、試行錯誤や手応えが確かに伝わってくるところに本書の説得力がある。(交通新聞社新書、900円)

読売新聞
2021年2月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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