【気になる!】文庫『生きるとか死ぬとか父親とか』

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

生きるとか死ぬとか父親とか

『生きるとか死ぬとか父親とか』

著者
ジェーン・スー [著]
出版社
新潮社
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784101025414
発売日
2021/02/27
価格
649円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【気になる!】文庫『生きるとか死ぬとか父親とか』

[レビュアー] 産経新聞社

 20代で母親を亡くして約20年を経たコラムニスト、ラジオパーソナリティーの著者(日本人)が「なにも知らないも同然」だった父親の人生に迫り、家族の物語をつづる痛快エッセー。

 マイペースで周囲を振り回すのが得意な父に、愛憎入り交じった視線を送る娘は母とのなれそめ、戦時下体験、かつての仕事のことなどを聞き、長年目を背けてきた現実にも直面する。

 解説の中江有里氏いわく「父、そして父娘関係を刃物で切り開いて断面をさらけ出す」文章の迫力に引っ張られながら、読後は心がじんわり温かくなる。この春のドラマ化も楽しみだ。(ジェーン・スー著、新潮文庫・550円+税)

産経新聞
2021年3月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク