『回文まんが絵本 キリン ねる ねんりき』
書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます
『ふるいけやの呪縛』
- 著者
- 伊藤文人 [著]
- 出版社
- みらいパブリッシング
- ジャンル
- 芸術・生活/芸術総記
- ISBN
- 9784434280511
- 発売日
- 2020/10/22
- 価格
- 1,650円(税込)
書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます
ひっくり返るほどおもしろい! 「さかさ」で笑いを生み出す作家、伊藤文人さんの脳内をのぞいてみよう
[文] みらいパブリッシング
「世の中のものは、ひっくり返せばなんでも面白くなります」
そう話すのは、作家の伊藤文人さん。
今まで、上下をひっくり返すと違う絵になる「さかさ絵」や前から読んでも後ろから読んでも同じ言葉になる「回文」など、「さかさ」をテーマにさまざまな書籍や作品を発表してきました。
どうしてそんなに「さかさ」ばかりつくっているの?
気になることをすべて、インタビューで聞いちゃいました。
読み終えたら、あなたも「さかさ」の虜になっているかも?
「さかさ」との出会い。きっかけはエッシャー。
――今まで出した本、すべてが見事に「さかさ」にまつわる本ですね。伊藤さんと「さかさ」との出会いを教えてください。
最初に出会った「さかさ」は、さかさ絵でした。今70歳なのですが、43歳のときにはじめて描いたんです。 当時、僕はデザイナーとして働きながら、イラストの仕事も請け負っていました。
あるとき、松屋銀座の階段に「トリックアートコンペ」というポスターが貼られているのを見たんです。オランダの画家M.C.エッシャーのゆかりの地、福井県の自治体が主催の企画でした。 それを見たとき、なんかできそうだなと思ったんです。で、描いてみたら、描けちゃったんですよ。その絵は奨励賞で3位に選ばれました。
――初めて描いて入賞ってすごいですね。
それをきっかけにさかさ絵をはじめて、27年間で合計150ほど描いていると思います。さかさ絵の本もたくさん出しました。
――伊藤さんは、どうしてそんなに「さかさ」にこだわっているんですか?
僕のモットーは、人を笑わせることと人を驚かせることです。で、たまたま人より「さかさ脳」が発達していたので、「さかさ」で色々つくるようになったんです。つまり、自分の得意分野に人を引きずり込んで、驚かせたり笑わせたりしているだけなんですよ。
世の中のものは、ひっくり返せばなんでも面白くなります
――それにしても、よくそんなに「さかさ」を思いつきますね。
よく、周りの人にそんなに「さかさ」のことを考えていて頭おかしくならないの? って聞かれるんですけど、そんなに悩んでやってないんです。ほぼ冗談ですから。世の中のものは、たいてい何でも、ひっくり返せば面白くなるんですよ。
――そ、そうなのでしょうか?
そうです。たとえば、JR地下鉄の、電車が正面を向いているピクトグラムのサインがあるじゃないですか。あれをひっくり返すと、バッタの親分みたいな顔をしているんですよ。僕にはもう、あれはバッタの親分にしか見えない。
――どうやってひっくり返して見るのですか?
頭のなかで。もしくはスマホのカメラで撮って。なんでもひっくり返せばいいんですよ。けっこう面白いものがありますよ。写真を撮って写真集にしてもいいくらい、そこらじゅうにあります。
――なんだか、外に出ていろいろ探してみたくなりました!今日はありがとうございました。
***
話を聞いた人:伊藤文人(いとう ふみと)さん
日本回文まんが学会会長。さかさま研究所所長。NHK教育T V「シャキーン! 」、クイズ番組「脱出(だっしゅつ)ゲームD E R O」、「謎解きバトルT O R E」など、多数のテレビ番組にもトリック作品を提供。本作品が 東京大学入試問題にも使用された。