<東北の本棚>毎日の習慣で感染予防

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ウイルスを寄せつけない! 痛くない鼻うがい

『ウイルスを寄せつけない! 痛くない鼻うがい』

著者
堀田 修 [著]
出版社
KADOKAWA
ジャンル
芸術・生活/家事
ISBN
9784046050489
発売日
2020/11/26
価格
1,430円(税込)

書籍情報:openBD

<東北の本棚>毎日の習慣で感染予防

[レビュアー] 河北新報

 食塩水で鼻の中をすすぎ清潔な状態を保つ「鼻うがい」の習慣化を、風邪などの感染症予防対策として、医療関係者が呼び掛けている。本書は、医学的根拠と効果、やり方を詳しく説明する「鼻うがいの啓発書」だ。「鼻うがいの時代がやってきた」「鼻うがいはどんな病気に効果があるか」など6章で構成する。
 目下、パンデミック(世界的大流行)となり治療法が確立していない新型コロナウイルス。科学的根拠はまだないが、この新種の病の感染予防にも習慣的な鼻うがいが有効ではないかと指摘する。新型コロナウイルス感染症では、従来のコロナウイルスと同じのど風邪の症状が現れ、感染者のうち8割がのど風邪だけで治るという。
 のど風邪の炎症の中心は、鼻腔(びくう)奥の上咽頭(じょういんとう)だと指摘する。ウイルスを含む空気がたまりやすい部位である。新型コロナウイルスは、体内に入り発症するまで5日程度で、習慣的な鼻うがいにより潜伏期間中にウイルスを洗い流せる可能性を強調する。
 英国エジンバラ大の研究チームが2019年、ウイルス性の風邪発症者に対する鼻うがいの効果を確認した調査を報告している。人の体液と同じ塩分濃度0・9%の生理食塩水を片方の鼻穴から注入して別の鼻穴から出す方法だ。これらさまざまな国内外の研究事例を挙げ、「鼻うがいで風邪全般が予防できれば、新型コロナウイルス感染症も予防できる可能性は高い」と指摘している。
 著者は仙台市内でクリニックを開業する内科医。めまいや頭痛、慢性疲労など多彩な症状と関連する慢性上咽頭炎の治療法であるEAT(上咽頭擦過療法)を研究、普及させる過程で、鼻うがいの医学的有効性を再認識し、これまでも関連本を出版してきた。(相)
   ◇
 KADOKAWA0570(002)301=1430円。

河北新報
2021年3月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

河北新報社

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