わかりやすく説明ができない人が抱える3つの原因

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神わかり!頭のいい説明力

『神わかり!頭のいい説明力』

著者
犬塚 壮志 [著]
出版社
PHP研究所
ジャンル
社会科学/経営
ISBN
9784569900803
発売日
2021/02/04
価格
880円(税込)

書籍情報:openBD

わかりやすく説明ができない人が抱える3つの原因

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

わかりやすく説明するためには、「自分がどう説明したいか」ではなく、「相手がどう受け取るか」を考えることから始めるべき。そして、ちょっとしたコツが必要。

そう主張するのは、『東大院生が7つの型で教える 神わかり! 頭のいい説明力』(犬塚壮志 著、PHP文庫)の著者。元・駿台予備学校化学科講師として人気No.1の実績を打ち立てた人物ですが、それは塾講師のみならず、どんな人にも当てはまることなのだそうです。

個人が情報発信しやすくなった社会では、個人メディアなどでその人の専門分野での発言を、そうでない人に伝える機会が圧倒的に増えています。

新型コロナウイルスの影響でリモートワークが促進され、オンライン上でより多くの多種多様な人たちに向けて話す機会が増えた人も多いはずです。

だからこそ、これからの時代に活躍するためにも、自分の専門分野以外の人に、自分の発言をわかりやすく伝えることが求められるのです。(「はじめに」より)

自分が興味を持っていることなどを、その分野についてあまり知らない人に“わかりやすく”説明できれば、自分の稀少性が際立つことに。それは、自分自身の情報の価値が上がるということでもあるでしょう。

そのため、他の人が「難しい」と感じることを、わかりやすく伝える説明が大切なのだという考え方です。

とはいえ、わかりやすく伝えることは決して楽ではありません。それどころか、「説明がわかってもらえない」という壁に行く手を塞がれてしまう方も多いのではないでしょうか。

そこできょうはイントロダクション「なぜ、あなたの説明はわかってもらえないのか?」のなかから、「あなたの説明がわかってもらえない『3つの原因』」を見てみたいと思います。

その原因について、さまざまな文献を調べたり、いろいろな人にインタビューを行ったりした結果、著者は次の3つにたどり着いたというのです。

原因1:相手が説明を聴くための態勢をとれていない

相手に説明し、ちゃんとわかってもらうためには、話をしっかり聴いてもらうところから始めなければならないと著者はいいます。ただし当たり前のようで、それはなかなか難しいことでもあります。

したがって、まずは相手に振り向いてもらい、“聴く態勢”をつくるところから始めなければならないわけです。

20年近く塾や予備校で講義をしてきた著者も、いちばん気を遣ってきたのが“いかに生徒に自分の話を聴いてもらうか”ということだったそう。予備校は勉強しに来る場所なのですから、みんな聴く態勢はできていそうにも思えますが、実際にはそうでもないようです。

受験自体に後ろ向きな生徒もいることでしょう。しかも著者が指導していた「化学」自体、「嫌いだけど志望大学で必要な入試科目だから仕方なくやる」といった生徒がいる科目でもあります。

また、化学は大量の知識をインプットし、高度な法則も理解しなければならないので、苦手科目になりやすいという側面を持ってもいます。

そのため、まずは講義に対して生徒に前向きなスタンスをとってもらうこと、すなわち相手に自分の説明を聴いてもらうということが、説明する際の最初の壁になるということです。(39ページより)

原因2:そもそも自分自身が内容をよく理解していない

著者によれば、そもそも「説明する本人がその内容についてちゃんとわかっていない」というケースは少なくないのだとか。

話している途中でなんらかの疑問が頭をよぎったり、テキトーな理解のまま説明してしまうこともあるというのです。

これは講師に限らず、人になにかを伝えなければならないすべてのことにあてはまるのではないでしょうか?

当たり前のことではあるのですが、説明する側がしっかりわかっていないことは、相手にちゃんとわかってもらうことは不可能です。 つまり、自分が深くまで理解しているからこそ、相手にしっかりわからせることができるのです。(44ページより)

なお、「深くまで理解している」という文脈でいうと、「相手に1mの深さまでわかってもらう説明をするなら、自分はあらかじめ10mまで掘っておく必要がある」と著者は考えているのだそうです。

自分自身が「相手に理解してもらいたい深さ」より深いところまでわかっておかないと、“理解してもらうための説明”にはならないというのがその理由。自分がしっくりきていないことや腑に落ちていないものは、どれだけがんばって説明しようとしても相手には刺さらないわけです。

そのため、事前に頭のなかでシミュレーションを済ませ、「その説明で自分がしっくり来るかどうか」を考えてから説明を始めるようにしておくべき。

できれば実際に声に出し、自分の耳で自分の説明を聴いてみるといいそうです。声に出してこそ気づけることがあるから。(42ページより)

原因3:相手のもっている知識を自分が把握していない

最後の「相手のもっている知識を自分が把握していない」について説明するにあたり、著者はまず「“わかる”とはなにか」という点に焦点を当てています。それを理解してからのほうが、より理解が深まるというのです。

平たく言ってしまいますと、“わかる”とは「自分がすでにもっている情報(知識)と、新しい情報とがつながること」です。(47ページより)

たとえば自分がAという情報を持っていて、そこにBという新たな情報が入ってきたとします。そのとき、頭のなかで「A、B」がそれぞれ別の状態で記憶されたとしたら、Bをわかったことにはなりません。

「A-B」のようにつながった状態で頭のなかに保存されることこそが、「わかった」ということ。つまり“わかる(理解する)”という行為は、「すでに持っているものと新しいものをつなげる」作業。

別のいいかたをすれば、“わかる”とは「情報同士のネットワーク化」なのだと著者は説明しています。(46ページより)

以後、第1部「基本編」では、分かってもらう説明の黄金フォーマットだという「IKPOLET法」が、そして第2部「応用編」では、超速フレーム「KOLE法」が解説されています。それらをマスターすれば、説明力が格段にアップするかもしれません。

Source: PHP文庫,PHP Online 衆知

メディアジーン lifehacker
2021年3月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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