西洋の芸術家に大きな影響を与えた江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎。「冨嶽三十六景」をはじめとする代表作から、北斎が描いた現在の場所を歩き紹介する。
のどかな田園風景が広がる「隠田の水車」は、東京・渋谷区のおしゃれなビルが連なる活気ある街へと変貌。水車があったとされる川は暗渠(あんきょ)化されているが、蛇行する道にその痕跡を残す。「深川萬年橋下」で描かれた江東区は、いまも多くの川が流れ水の都だった江戸の面影を漂わす。
北斎が題材にした各地を巡り歴史や文化を知れば、都市の魅力を発見することができるだろう。(青幻舎・2000円+税)
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2021年3月28日 掲載
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