【気になる!】文庫『ていだん』
[レビュアー] 産経新聞社
「人生すべて受け身でここまで生きてきた」という俳優の著者が、あえて「鼎談(ていだん)の女主人」を務めた雑誌連載の書籍化。連載第1回の井上陽水・川上未映子をはじめ俳優、作家、噺家(はなしか)、クリエーター、料理人、漁師ら毎回2人、計36人のゲストを迎えて語り合う。
テーマとゲストは、たとえば「映画『かもめ食堂』から10年」で片桐はいり・もたいまさこ、「九州男児と語らう」と光石研・役所広司、「堂々と生きる」に長塚圭史・西加奈子、「大人の姉妹力」の市川実日子・市川実和子…。
声が聞こえてきそうな対話、名言が続々。それぞれの3ショットも味わい深い。(小林聡美著、中公文庫・740円+税)