Scream!絶叫コレクション 震える叫び/不気味な叫び/消えない叫び R・L・スタイン監修 理論社

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書籍情報:openBD

Scream!絶叫コレクション 震える叫び/不気味な叫び/消えない叫び R・L・スタイン監修 理論社

[レビュアー] 宮部みゆき(作家)

 映画にもなった『グースバンプス 世界がふるえた恐い話シリーズ』で知られるR・L・スタインが編んだ全三冊の書き下ろしジュブナイル・ホラー短編アンソロジー。ベテランから新鋭まで、アメリカのホラー、ミステリー、ヤングアダルトノベルの世界で活躍中の人気作家が勢揃(せいぞろ)いしており、彩り豊かなフルーツゼリーの詰め合わせのように豪華で美味(おい)しいセットだ。但(ただ)しこのフルーツゼリーはまったく甘くないし、舌触りはひやりとしている。

 刊行順に何編かご紹介しよう。『震える叫び』からは、「カミカゼ・イグアナ」。舞台は南フロリダ、主人公は転校生のティーンエイジャーの女の子。悪ガキ一味にバーベキューにされそうになっているグリーンイグアナを助けてやり、そのせいで一味に目の敵にされてしまうのだが、助けたイグアナが意外にも……。爬虫(はちゅう)類は苦手という方でも、このイグアナは好きになりそうだ。

 『不気味な叫び』からは、正統派の人形怪談「ショーウィンドウの女の子」。デパートのショーウィンドウを飾る、生きているかのように活(い)き活(い)きと美しい少女のマネキン「リディア」と、リディアに憧れる貧しくて平均的な十一歳の女の子、メイブル。リディアのようになりたいというメイブルの願いは、どんな形でかなえられるのか。

 『消えない叫び』からは、ツイストの利いた犯人捜しでもある「サメがいた夏」。この「サメ」は「かっこよくてお金持ちのお友だちは『ジョーズ』のリメイク版に出演できそう」。それってどういうこと? 驚きの着想と展開がスリリングで楽しい逸品だ。

 同じ理論社刊の『モンタギューおじさんの怖い話』で、監訳者の三辺律子さんのお名前を覚えたジュブナイル・ホラー愛好家は多いのではなかろうか。私もその一人だ。このコレクションもまぎれもなく三辺印。お見逃しなく。

読売新聞
2021年3月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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