小野寺淳、平井松午編「国絵図読解事典」

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国絵図読解事典

『国絵図読解事典』

著者
小野寺淳 [編]/平井松午 [編]
出版社
創元社
ISBN
9784422220093
発売日
2021/02/18
価格
9,680円(税込)

書籍情報:openBD

小野寺淳、平井松午編「国絵図読解事典」

[レビュアー] 加藤聖文(歴史学者・国文学研究資料館准教授)

 江戸時代、全国のあちらこちらで絵図が作成された。大名の領地内(藩)では村絵図、そして徳川幕府が諸藩に命じて作らせた国絵図(くにえず)。その他の多様な絵図も含めるならば、わたくしたちは博物館で一度は目にしているかもしれない。

 スマホに慣れた現代人にとっては、地図というよりも「地図のような絵」にしか見えないが、実はこれ一枚で地形はもちろん、寺社旧跡、交通や産物、鉱物、生産高までわかるほど情報満載のビッグデータだ。

 本書は、現代人には解読不能になってしまった国絵図(実物はビックリするほど大きい!)の解読書だ。読み解くことができればその土地の歴史だけでなく、現在の災害情報にも活用できる優れもの。近年はデジタル化が進み、いくつかの国絵図はインターネットで公開されているので、本書を手引きにすれば何倍も楽しめること請け合いだ。

 (創元社、9680円)

読売新聞
2021年4月4日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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