風の旅には理由がいらない。中国の女性写真家 バオメイさんにインタビュー

インタビュー

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have fun

『have fun』

著者
バオ・メイ [著]
出版社
(株)みらいパブリッシング
ジャンル
芸術・生活/写真・工芸
ISBN
9784434276774
発売日
2020/07/14
価格
1,650円(税込)

書籍情報:openBD

風の旅には理由がいらない。中国の女性写真家 バオメイさんにインタビュー

[文] みらいパブリッシング

風の旅には理由がいらない。中国の女性写真家 バオメイさんにインタビュー

写真コンテスト「写真出版賞」で大賞&青山裕企賞をダブル受賞した中国出身の写真家バオメイさん。

受賞作をまとめた写真集『have fun』で日本デビューを飾りました。

特定の居場所を持たず、風のように世界を旅する彼女。

現在、中国雲南省の沙溪という町に滞在しているという彼女に、オンラインでインタビューを行いました。


写真家のバオメイさん

――今、どこにいるのですか?

今は、中国雲南省の大理の近くにある、沙溪という町にいます。

――沙溪はどんな町ですか?

わたしはこの小さい町が大好きです。今は秋。田んぼの色がゴールドになりました。小道に沿って歩いていると、運がいいときは黄色の葉っぱの木が見えます。ここの雲は常に綺麗で、天気のいい日は絶対に散歩に行きます。雨の日は、雨を見ながら室内でぼんやり過ごします。私の体が、ここは第二の故郷だと言っているようです。

――精神的に、コロナウイルスの影響を受けたりしましたか?

影響はほとんどないです。それはわたしの生き方と稼ぎ方のせいかもしれないけど。でも、遠くにいる友達に会えないので、会いたいと思うことはあります。


滞在している沙溪の町

――写真出版賞に応募しようと思ったきっかけは?

東京に住む友人の洪十六(中国出身、第1回写真出版賞で青山裕企賞を受賞)から推薦されました。感謝します! わたしはあまり写真のデータを整理するのが好きじゃないのですが、彼が実物をそのまま送っても大丈夫だと教えてくれました。作ったばかりの写真集のダミーを洪に送って、彼が代理で応募手続きをしてくれたんです。

――大賞&青山裕企賞をダブル受賞と聞いたとき、どう思いましたか?

自分の写真が認められて、嬉しかったです。もともとコンテストには興味がなく、紹介されなかったら絶対に応募していなかったので、ラッキーでした。でも、私が大賞を獲ったせいで、一緒に応募した洪は優秀賞になってしまったので、こんど彼においしいものをおごらないといけないですね。

――受賞作をまとめた写真集『have fun』を初めて受け取ったときの印象は?

「あ! これが日本のデザインか!」というのが第一印象でした。カバーがとても綺麗です。使われている写真はわたしの自撮りですね。色味も素晴らしいと思います。「バオメイごめん」という言葉も、とてもかわいいです。とても“have fun”。

紙を何種類も使っていて、中を読むときもサプライズがありました。編集も大胆だし、気楽さがあるし、昔、漫画を読んでいたときに感じたような心地を感じました。


写真集『have fun』

――この写真集のテーマを教えてください。

「have fun」つまり「楽しむ」ことは、わたしが普段から一番重視していることです。たとえば、わたしが写真を撮るとき、いい写真が撮れているかどうかはあまり大事ではないんです。「have fun」が一番大事なこと。そしてやっぱり、「have fun」のときに撮った写真はいつも、大好きなものが多いです。


「まず生活を選び、それから撮影を選ぶ」が彼女の信条

――バオメイさんは、どうして風のように旅を続けているのですか?

「風のように」と言ってくれてありがとう。風の旅には理由がいらない。とても自由です。

――次の目的地は決まっているのですか?

海南島に行きたいです。海の街に戻りたい。

――日本のファンに向けて、何かメッセージがあればお願いします。

最近、日本の映画を何本も見て、日本に行ったときのことを思い出しました。両手をポケットに入れて、喫茶店やコンビニがある街を散歩したいです。写真を撮らなくても大丈夫。そして居酒屋に行って、友達とお酒を飲みたい! 日本にいるみなさん、どうかお大事に!

 ***

話を聞いた人:バオメイさん

1991年中国広東省生まれ。2015年から写真をセルフメディアとした活動を開始。特定の居場所を持たず、世界中を旅しながらアート活動を行う。以後、上海や北京などで数々の写真展を開催。写真集に『私の遠くからの友たち』『見えない私』『Living the dream』『宝妹写真館』。

Instagram @zhongbaomei

文:笠原名々子 翻訳:洪十六

みらいパブリッシング
2020年11月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

みらいパブリッシング

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