【気になる!】文庫 『そして、すべては迷宮へ』

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

そして、すべては迷宮へ

『そして、すべては迷宮へ』

著者
中野, 京子
出版社
文藝春秋
ISBN
9784167916664
価格
957円(税込)

書籍情報:openBD

【気になる!】文庫 『そして、すべては迷宮へ』

[レビュアー] 産経新聞社

 著者はベストセラー「怖い絵」で知られるドイツ文学者。初のエッセー集が文庫オリジナルで登場した。主に新聞や雑誌に寄稿した随筆を集め、加筆修正したものという。

 西洋史や芸術に関する広範な知識を基に、美術鑑賞に新たな視点を提示した名手だけに、絵画にまつわる文章が多い。解説にとどまらず、名画との衝撃的な出会いなど、実体験や自身の嗜好(しこう)も織り交ぜて書かれているので、親近感がわく。

 身辺雑記的なものや書評も収録。「時に歴史書よりも勉強になる」と、著者一押しのエンタメ小説を紹介。造詣の深さに驚く。(中野京子著、文春文庫・957円)

産経新聞
2021年4月25日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク