面倒な仕事を雑魚キャラにして片づける「シューティングゲーム仕事術」

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仕事はゲームにすると上手くいく

『仕事はゲームにすると上手くいく』

著者
石川和男 [著]
出版社
秀和システム
ジャンル
社会科学/社会
ISBN
9784798062600
発売日
2021/03/23
価格
1,430円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

面倒な仕事を雑魚キャラにして片づける「シューティングゲーム仕事術」

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

仕事は、つらさや苦しさと表裏一体。とはいえ、楽しい時間が続けば気持ちは前向きになるものでもあります。

そのことに関連し、『仕事はゲームにすると上手くいく』(石川和男 著、秀和システム)の著者は『トム・ソーヤの冒険』に出てくる「ペンキ塗り」の話を引き合いに出しています。

トムはイタズラをした罰として、大きな壁にペンキを塗る作業を命じられます。 トムはどうしたか? 面倒で大変で辛いペンキ塗りを、楽しそうに快活そうに振る舞いながら行ったのです。

すると冷やかしに来ていた仲間たちが、われ先に「やりたい! やりたい!」と言い出したのです。

(中略)ペンキ塗りという作業が変わったわけではありません。

楽しそうに振る舞うことで、大変な作業を楽しい作業に変えたのです。(「激務な仕事をゲームに変える!」より)

工夫次第で、大変なことも楽しみに変えることができるのは、仕事にしても同じ。難易度の高い仕事を細分化して倒していく、嫌な仕事を演技をしている感覚で楽しむなどの工夫をすれば、「つらい仕事」も「楽しい仕事」に変えられるわけです。

過去にも著作をご紹介したことがありますが、著者は建設会社の総務経理、大学講師、時間管理コンサルタント、セミナー講師、税理士と5つの仕事を手がけている“スーパーサラリーマン”。まさに、仕事を遊びに変えながら楽しんでいる人物です。

そのようなバックグラウンドがあるからこそ、こうした発想を生み出すことができるのかもしれません。用意された30種類のゲームのなかから、きょうは「シューティングゲーム仕事術」をピックアップしてみましょう。

シューティングゲーム仕事術

朝から調子がいいし、仕事がどんどん片づいていく。そこでメールを返信し、部下に指示を出し、新聞で株価をチェックし…と仕事をこなすのに、なぜかイライラして、心にモヤモヤが残るーー。

そんなことになってしまうのは、好きな仕事、楽な仕事、円滑に進む仕事ばかりが片づいているに過ぎないからなのだとか。著者のセミナー講師としての師匠である箱田忠昭氏は、それを「『好楽円(こうらくえん)』の仕事」と名づけたそうです。

「好楽円」な仕事を優先してしまうと、気づいたときには面倒な仕事ばかりが残ってしまいます。しかもそのときには疲れ果てているため、集中力が途絶え、難易度の高い仕事に立ち向かう気力などなくなっていることも考えられます。

そのため、結局は先送りしてしまうのです。ところが次の日もまた「好楽円」な仕事から手をつけてしまうため、面倒で大変な仕事がどんどんたまっていくという悪循環に陥ることに。

そんな方には「シューティングゲーム仕事術」がおすすめです。

シューティングゲームとは、レーザーや弾丸で相手を次々と攻撃し、破壊するゲーム。迫ってくる敵を次から次へと倒し、クリアすることでストレスも発散されます。(10〜11ページより)

著者も中学生時代に、インベーダーゲームにハマったことがあるそう。

雑魚キャラがたくさんいて、最後にボスキャラを倒せば一面クリアできるというスタイルは現在のシューティングゲームも同じなので、似たような経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

面倒な仕事は雑魚キャラ化する

「好楽円」な仕事が雑魚キャラ。大変で面倒な仕事がボスキャラ。それならボスキャラである大変で面倒な仕事を行うのは難しいとあなたは思ったかもしれません。

安心してください。仕事では、ボスキャラを雑魚キャラに変えることができます。つまり大変で面倒な仕事を、「好楽円」な仕事に変えることができるのです。それは、面倒で大変な仕事を細分化していくこと。仕事を細かく分けるんです。(11ページより)

その好例として挙げられているのが「決算」という仕事。会社の財産や借金をチェックし、どれだけ儲かったかを報告する書類づくりであるだけに、1年の終わりの集大成。ゲームでいえば最終ステージ。

経理部門のボスキャラというべき、1カ月以上かけて行う面倒で大変な仕事です。

そのためつい先延ばしし、期限ギリギリに提出するということになりがちですが、そんなボスキャラも、雑魚キャラに変えられるというのです。

去年の決算書のコピー、現金のチェック、残高証明書を銀行に取りに行く、手形のチェック、得意先の残金確認…と、決算業務を細かく分けてノートに書きます。

すると「去年の決算書のコピーぐらいはできるな」、「現金はAさんに手伝ってもらって一緒にチェックしよう」「Bさんが銀行に行くと言っていたので、ついでに残高証明書を取ってきてもらおう」というように、細分化することでボスキャラが雑魚キャラに変わり、簡単に攻撃しやすくなり、次々と破壊することができるのです。(11〜12ページより)

終わらなくても問題なし

全部終わらなかったとしても、心配する必要はなし。なぜなら、ボスキャラ級の大きさだった時点ではまったく手をつけられなかった決算業務も、「きょうは5つまで倒せた」「あすは手形と得意先の残金チェックをしよう」というように、少しずつ倒していけるから。

シューティングゲームの醍醐味は、次から次へと迫ってくる的を仕留めていくことにあります。いわば敵は、一髪で仕留められる程度の雑魚キャラだということになるわけです。

もちろん、仕事の内容が変わるわけではありません。しかし、面倒で大変だと思っていた仕事も細分化して次々と終わらせれば、おもしろくてストレス解消になるゲームに変わるということ。

そんなシューティングゲーム仕事術を使い、一発で仕留められる仕事を細分化すれば、面倒だった仕事もどんどん片づけることができそうです。 (10ページより)

マンガによる解説もついているため、興味のあるゲームを楽しみながら、無理なく実践できるはず。本書を活用することで、「つらさ」を「楽しさ」に転化したいところです。

Source: 秀和システム

メディアジーン lifehacker
2021年4月27日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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