<東北の本棚>日常生活楽しむ歳時記

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日本の365日を愛おしむー季節を感じる暮らしの暦ー

『日本の365日を愛おしむー季節を感じる暮らしの暦ー』

著者
本間美加子 [著]
出版社
飛鳥新社
ISBN
9784864107969
発売日
2020/12/02
価格
1,799円(税込)

書籍情報:openBD

<東北の本棚>日常生活楽しむ歳時記

[レビュアー] 河北新報

 無くても過ごせるが、あれば楽しい歳時記。何げない日常生活の中でめくると、ささやかな発見と喜びがある。山形市出身のフリーライターによるこの歳時記には、東北人の感性が息づく。手に取れば、毎日が楽しくなってきそうだ。
 風薫る爽やかな季節を迎えた。5月第2日曜の「母の日」は、米国の女性が亡き母の命日である9日に白いカーネーションをささげたのが始まりだ。9日は「アイスクリームの日」でもある。日本で初めてアイスクリームを食べたのは、1860年に日米修好通商条約批准のため訪米した使節団だった。約100年後の1964年、業界団体がさまざまな施設にアイスクリームをプレゼントした日が記念日になった。
 東北の話題が楽しい。5月24日は「だて巻きの日」。「お正月はとっくに過ぎたのに?」と不思議に思えるが、仙台藩主伊達政宗の命日に由来する。卵を巻いた形が巻物に通じるとして、学問や知性の向上を願う縁起物となった。
 将棋の駒の生産量が日本一を誇る将棋のまち、天童市に関連するのが11月17日の「将棋の日」だ。8代将軍徳川吉宗が1716年、御前で対局を行う「御城将棋」の日と定めた。橋の欄干やマンホールに駒のデザインをあしらう天童を、愛着を込めて紹介する。
 東日本大震災10年を迎えた3月11日は「前を向く『3・11』」。「あの日を今につなげ、何ができるのか、何をすべきなのか。命の重みと『当たり前の日常』の尊さを感じる、それぞれの『3・11』がやってきます」。10年がたっても、祈りは続く。
 著者は和の伝統を中心に執筆、編集に当たる。本書は2019年出版の歳時記を改題し、加筆、修正した。(会)
   ◇
 飛鳥新社03(3263)7773=1800円。

河北新報
2021年5月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

河北新報社

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