【今週の労務書】[日本版]同一労働同一賃金の理論と企業対応のすべて 倉重公太朗編著代表

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[日本版]同一労働同一賃金の理論と企業対応のすべて

『[日本版]同一労働同一賃金の理論と企業対応のすべて』

著者
倉重公太朗 [著]/荒川正嗣 [著]/濱口桂一郎 [著]/藤本真 [著]/山本陽大 [著]/近衞大 [著]/中山達夫 [著]/池邊祐子 [著]/河本みま乃 [著]/田代英治 [著]/青木秀登 [著]
出版社
労働開発研究会
ISBN
978-4903613260
発売日
2021/04/02
価格
3,850円(税込)

【今週の労務書】[日本版]同一労働同一賃金の理論と企業対応のすべて 倉重公太朗編著代表

[レビュアー] 労働新聞社

細かな「差異」まで解説

 「何をどこまで」の目安がなく、多くの企業が対応に苦慮する同一労働同一賃金について解説する本書は、まずは前提となる理論から、一歩前に出た実務対応まで仔細に紹介している。

 法律やガイドライン、最高裁判例への解釈を示したうえで、人事制度のあり方を解説。賞与、退職金など多岐にわたる項目への考え方を示唆した。

 テレワークやフレックス制などの勤務形態については、制度適用自体に使用者の裁量が大きい。正社員においても業務内容や勤続年数などの要件があるケースが多いことから、非正規雇用者の業務、程度に応じて差異を設けるのは不合理ではないとの考えを示している。柔軟な勤務導入は定着率向上や離職防止など長期雇用を予定している者への継続確保も目的であることを考慮した。

労働新聞
令和3年5月17日第3305号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

労働新聞社

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