『干す 日本の天日干しをめぐる』西村豊 写真・文

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

干す 日本の天日干しをめぐる

『干す 日本の天日干しをめぐる』

著者
西村豊 [著]
出版社
光村推古書院
ジャンル
芸術・生活/写真・工芸
ISBN
9784838106103
発売日
2021/03/31
価格
2,640円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『干す 日本の天日干しをめぐる』西村豊 写真・文

[レビュアー] 産経新聞社

 古民家の軒下を埋め尽くす干し柿が圧巻だ。太陽の光に当てて乾かす「天日干し」をテーマに、ノスタルジックな風景を収めた写真集。塩漬けにした赤い唐辛子を雪の上でさらす珍しい場面もある。

 自然写真家の著者は15年で46カ所を取材。対象は豆腐、稲、餅、サケ、ホタルイカなどと幅広く、中には意表を突く物も。一部の光景はすでに失われている可能性があり、貴重な記録となっている。

 食材を干せばうま味が凝縮され、保存性も高くなる。日本列島では縄文時代から魚介の干物が作られていた。何千年も昔の祖先とのつながりを感じる一冊だ。(光村推古書院・2640円)

産経新聞
2021年5月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク