自閉症スペクトラムのおはなし 安原昭博監修/ADHDのおはなし 高山恵子監修/学習障害のおはなし 柳下記子監修  3冊とも、細川貂々絵 原佐知子編 平凡社

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書籍情報:openBD

自閉症スペクトラムのおはなし 安原昭博監修/ADHDのおはなし 高山恵子監修/学習障害のおはなし 柳下記子監修  3冊とも、細川貂々絵 原佐知子編 平凡社

[レビュアー] 飯間浩明(国語辞典編纂者)

 今よりも若い頃、発達障害や知的障害などを持つ子どもたちと遊んだり学んだりするサークルに参加していたことがあります。自閉的特徴のある子、多動の傾向を示す子など、それぞれにユニークな子たちが集まっていました。

 そんな中にいると、不思議と落ち着いた気持ちになりました。私自身にも、それぞれの子と共通する傾向があると感じ、仲間意識を持ちました。一般に言われる発達障害の特徴のいくつかは、私にも当てはまります。障害者としてケアを受けるまでに至らなくても、同様の傾向を持って生活している社会人は多いはずです。

 それにしては、発達障害に対する社会の理解は十分とは言えません。自閉症スペクトラムとは? ADHDとは? 学習障害とは? それぞれどんなものか、的確に説明できる人は少ないのではないでしょうか。友だちや家族、もしかしたらあなた自身のことなのに。

 このシリーズ全3冊では、細川貂々さんの楽しいイラストを交えて、それぞれの障害の基本が、子どもにも分かりやすく説明されています。人に合わせるのが苦手で、こだわりが強い人。うっかり忘れることが多く、集中するのが難しい人。読み書きや話が苦手な人。そういう当事者や、または周囲の人々がどんな工夫をすればいいのか、対処法も示されます。

 全体として、「障害」ということばは極力使わずに説明されています。むしろ、それぞれの特徴は個性で、強みにもなることが語られます。シリーズのどれにも「キミの個性を輝かせるためには」の章があって、この傾向とつき合いながら生き生きした人生を送る方法について、ヒントが与えられます。

 発達障害について本格的に勉強するには、手間も暇もかかります。その点、このシリーズはどれも64ページで、読むのに時間はかかりません。気軽に手に取って、身近な人たちや、自分自身への理解を深めてはどうでしょう。

読売新聞
2021年5月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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