竜宮城で楽しい日を過ごした浦島太郎。村に帰り、乙姫からもらった玉手箱を開けると老人になってしまったとさ―誰もが知る浦島太郎のあらすじだ。この物語を読んで、「なぜ乙姫は『開けてはいけない』と言いながら玉手箱を浦島に渡したのか」と疑問に思ったことはないだろうか? こうした素朴な疑問に答えるべく、古い文献に当たったり仮説を立てたりして考察した本書。
取り上げたのは「かちかち山」「桃太郎」など有名な日本の昔話12話。子供向けと思っていた物語に、嫉妬や不倫、策略など大人の事情がたっぷり詰め込まれていることに驚く。(笠間書院・1540円)
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2021年6月6日 掲載
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