21世紀の恋愛 リーヴ・ストロームクヴィスト著

レビュー

7
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21世紀の恋愛

『21世紀の恋愛』

著者
リーヴ・ストロームクヴィスト [著]/よこのなな [訳]
出版社
花伝社
ジャンル
文学/外国文学、その他
ISBN
9784763409546
発売日
2021/02/09
価格
1,980円(税込)

書籍情報:openBD

21世紀の恋愛 リーヴ・ストロームクヴィスト著

[レビュアー] 柴崎友香(作家)

 レオナルド・ディカプリオはなぜ20代のモデルと次々つきあっては別れるのか、との疑問から始まり、深い哲学的な問いへと誘(いざな)う。理性的で自由な選択が価値あるものとされる現在、恋愛はかえって難しくなった。資本主義社会で自分の価値を高めることが重視され、人間関係も「自己評価の鏡」となりがちな中、「他者」との恋愛はどう可能なのか。

 著者は、スウェーデンの女性。絶妙な表現力のあるマンガ形式で語りかける。インドやギリシャの神話、ソクラテスやヘーゲルから現代の哲学、文化人たちが記した恋愛の経験、ビヨンセなどのポップカルチャーまで織り交ぜつつ、問いは絡まりながら進む。

 価値観や新しい考え方は、常に揺れ動き、危うさを孕(はら)む。わかりやすい結論を提示せず考え続けるので、読んだら余計に悩みが深くなるかもしれない。女性をめぐる状況が違う日本では「自己犠牲」や「自己責任」などの圧力もあり、より複雑だ。それでも、他者との関係について私は希望を感じたし、恋愛に限らない問いとしても誰かと話したくなる楽しい本だ。よこのなな訳。(花伝社、1980円)

読売新聞
2021年6月6日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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