『街場の芸術論』内田樹著

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

街場の芸術論

『街場の芸術論』

著者
内田樹 [著]
出版社
青幻舎
ISBN
9784861528392
発売日
2021/05/27
価格
1,870円(税込)

『街場の芸術論』内田樹著

[レビュアー] 産経新聞社

 フランス現代思想をベースに現代社会に切り込み続ける著者が、芸術について論じた小論を編集したものだ。取り上げられるのは三島由紀夫、村上春樹、宮崎駿、小津安二郎、大瀧詠一など。

 たとえば宮崎駿の全作品を貫く魅力を著者は「少女が空を飛ぶから」と言って論じ始める。ややトリッキーなところもあるが、それも魅力的。読み終えれば論じられた作品を体験したくなる。

 それぞれの芸術家とその作品に一家言を持つ者もきっと「そんな見方もできるのか」と感じるはずだ。著者にしか書きえないユニークなチェチェローネ(案内)だ。(青幻舎・1870円)

産経新聞
2021年6月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク