『あしあと ちばてつや追想短編集』
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【気になる!】コミック『あしあと ちばてつや追想短編集』
[レビュアー] 産経新聞社
漫画界の巨匠の自伝的読み切り作品を集めた23年ぶりの短編集。旧満州からの引き揚げを回顧する「家路 1945―2003」は壮絶の一言。経験者にしか描けない〝重み〟がある。
けがの功名がきっかけで石ノ森章太郎や赤塚不二夫らトキワ荘グループとの交流が始まる「トモガキ」も必読。著者を助けるため、若き日の巨匠たちが一肌脱ぐくだりに胸が熱くなる。
名作相撲漫画『のたり松太郎』の誕生前夜を振り返った「グレてつ」なども収録。漫画の発展とともに戦後を歩んできた著者自身の青春の日々は、唯一無二の魅力を放っている。(ちばてつや著、小学館・1650円)