仕事にやる気がでないのは「3つの欲求」が満たされていないから?

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出社しなくても最高に評価される人がやっていること

『出社しなくても最高に評価される人がやっていること』

著者
池本克之 [著]
出版社
日本実業出版社
ジャンル
社会科学/経営
ISBN
9784534058607
発売日
2021/06/17
価格
1,650円(税込)

書籍情報:openBD

仕事にやる気がでないのは「3つの欲求」が満たされていないから?

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

新型コロナウイルスの影響でワークスタイルが激変、出社せずにリモートで働いているという方も少なくないはず。

通勤の必要がなくなったことを筆頭に、リモートワークのメリットは数多くあります。しかしその反面、「メリハリがなくなり、効率が落ちた」「自宅にリモートで働くスペースがない」などのデメリットもあるはず。事実、そういった問題を解決するための書籍も数多く出版されています。

しかしリモートワークに関連しているとはいえ、『出社しなくても最高に評価される人がやっていること』(池本克之 著、日本実業出版社)は少しタイプが異なるようです。

本書ではリモートで働いて評価をされることに重点を置きました。

なぜなら、リモートでうまく働いたところで、評価されなければ、いくら仕事が楽になっても意味がないからです。素直に言いましょう。楽して働くことは大切なのですが、評価されて、より高い報酬を得ることのほうが大切なのです。(「はじめに」より)

つまり本書では、「リモートで働いて正しく評価されるためには、なにをしたらいいのか?」ということについて、具体的な解決策を提示しているわけです。

コンサルティング会社を経営している著者は、コロナ以前の何年も前から、社員にはリモートワークで働いてもらっているそう。つまりここで紹介されている方法は、実際にリモートワークで成果を出し、高く評価されている社員たちがやってきた実績ある方法なわけです。

とはいえ現実問題として、リモートワークでモチベーションを上げることは決して簡単ではありません。

そこできょうは本書の第4章「出社しないのに仕事ができる人の『やる気』の高め方」内の、「とりあえず目の前の仕事を全力でやるべし」に焦点を当ててみたいと思います。

仕事へのやる気を左右する3つの欲求

これまでに数多くの企業を見てきた著者は、部下のモチベーションの管理やマネジメントに関し、大きな誤解がはびこっていると感じているのだそうです。

たとえば、社員のモチベーションを上げるために「評価制度を変え、もっと給料を払おう」と考える経営者は、一見すれば優秀な存在に見えるはず。

ただし、もともと給料が低いのであれば有効でしょうが、単に、馬の目の前ににんじんをぶら下げるつもりなら考えものだというのです。

なぜなら、「給料を上げるだけ」など、職場に対する3つの欲求のうちの生存欲求しか満たさないから。

経営学の考え方の一つに「ERG理論」があります。

組織やビジネスが発展するのは、人間が「存在」「関わり」「成長」という三つの欲求をもとに働くから、という考え方です。

大まかに説明すると、次のようになります。

・存在欲求(E:Existence)…給料や労働条件など、物質的・生理的な欲求

・関係欲求(R:Relatedness)…上司や部下など、人間関係を良好に保ちたい欲求

・成長欲求(G:Growth)…創造的・生産的な影響を与えようとするもの。要するに、「この会社で働いてて自分が成長していけるか」という欲求

(179ページより)

重要なのは、この3つがすべて揃っていること。どれかひとつが秀でていたとしても、なにかひとつでも欠けていたなら、その場から離れたくなるのが人間の心理だといわれているというのです。

仮に給料をたくさんもらえていたとしたら、存在欲求は満たされているということになります。たくさん働いているので自分も成長しているし、会社の将来性にも問題がないとすれば、成長欲求についても問題はないでしょう。

ところが、部下が「上司が嫌な人でさあ」「とんでもない同僚がいるんだよ」というような悩みや愚痴をこぼしているのであれば、関係欲求が満たされていないことになります。したがって給料を上げてもモチベーションは下がってしまい、会社を辞めたくなってしまったりするわけです。

あるいは、給料もいいし(生存欲求は○)、職場はアットホームな雰囲気で、みんなやさしくて仲よくやっている(関係欲求は○)としましょう。しかし、「ここでずっと働いていても将来性がないな」と思われたら、成長欲求が満たされず、転職先を探しはじめるかもしれません。

このように、3つの欲求のうちひとつでも欠けてしまうとバランスが崩れてしまうということ。

したがって、部下のやる気のマネジメントに悩んでいる上司はもちろん、「どうもモチベーションが上がらない」と悩んでいる人も、この3つの欲求が満たされているかどうかを確認すべきだと著者は主張しています。(178ページより)

評価されるのは目の前にある仕事

当然のことながら、3大欲求が満たされれば自然とモチベーションは上がっていくもの。とはいっても、いつも3つが揃っているとは限らないのが現実。上司は優秀な人であっても、会社の制度やシステム、人間関係など、どうしようもないこともあるものだからです。

では、どうすればいいのか? この問いに対して、著者は次のように答えています。

答えは簡単です。とくに若いうちなら、「目の前の仕事を全力でやる」ことです。

若い人のなかには「自分の望んだ部署に配属されない」「望んだ仕事がさせてもらえない」「大企業の歯車でやりがいがない」と不満を持つ人がいます。 では、「歯車として」どれくらい全力でやっているのでしょうか。

居酒屋などでくだを巻いている人に限って、全力を出していません。

目の前のことを全力でこなすこともせずに、希望の部署になど行かれるはずがありません。取引先や同僚、先輩や上司から評価されるわけがないからです。(182ページより)

与えられた仕事がつまらないものだったとしても、一度「その仕事のプロ」になっていればいいという考え方。

単調な作業を続けていると「一生、雑用でこき使われそうで嫌だ」と感じるかもしれませんが、そうしたがんばりを見ている上司などから、「あいつに資料をつくらせておくだけではもったいないぞ」といつか思われるかもしれないわけです。

しかし、そうした評価を得るためには、目の前の仕事をくだらないと感じたとしても、それに全力で取り組むしかないということ。もちろんそれは、リモートワーク についても同じです。(181ページより)

コロナウイルスによって時代が大きく変わっていくいまこそ、自分自身が変われるチャンス。著者がそう断言するのは、自社で打ち立てた実績があるからこそ。したがって、そんな考え方を軸とした本書を活用すれば、リモートワーク下でも評価される人材になれるかもしれません。

Source: 日本実業出版社

メディアジーン lifehacker
2021年6月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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