<東北の本棚>変化に富んだ14コース

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

南東北名山ガイド 泉ヶ岳 船形山

『南東北名山ガイド 泉ヶ岳 船形山』

著者
河北新報出版センター [著]
出版社
河北新報社
ISBN
9784873414133
発売日
2021/04/30
価格
1,320円(税込)

書籍情報:openBD

<東北の本棚>変化に富んだ14コース

[レビュアー] 河北新報

 宮城、山形県境に広がる船形連峰は変化に富んだ登山道がそろい、初心者から上級者まで楽しめる。本書は主峰の船形山(御所山、1500メートル)などの14コースを取り上げ、見どころや注意点を分かりやすく解説した。
 船形山頂を宮城県大和町から目指す「升沢コース」は、中腹の三光の宮までブナ原生林を進む。頂上に近づくと多くの高山植物を観察できる。初夏まで大規模な雪渓が残り、注意も必要だ。
 仙台市民に親しまれている泉区の泉ケ岳(1172メートル)は、樋沢(ひざ)川沿いをたどる「水神コース」やスキー場を通る「カモシカコース」など、四つの登山道を掲載した。
 各コースとも順を追ってポイントを紹介。写真や地図も添え、足場が不安定な場所や分岐、目印の石碑などを確認できる。難易度や体力の消耗度、参考タイムが示され、予習に役立ちそうだ。
 このほか、泉ケ岳から船形山頂を目指す縦走路ルートや泉ケ岳周辺の山々を走る大会「仙台泉ケ岳トレイルラン」を紹介。地名に関するコラムも盛り込んだ。
 四季の写真をふんだんに使う。エイザンスミレなど、かれんな花々が目に楽しい。家にいながら山歩きの気分を味わえる。(和)

 河北新報出版センター022(214)3811=1320円。

河北新報
2021年7月25日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

河北新報社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク