新書はこれを読め!

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  • 国家の尊厳
  • 真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960
  • 藤井聡太論 将棋の未来
  • 宗教の本性
  • 決定版 大東亜戦争(上)

書籍情報:openBD

新書はこれを読め!

[レビュアー] 新潮社

 先崎彰容『国家の尊厳』(新潮新書)は、史上最長に及んだ安倍政権、続く菅政権の政治思想をひもとき、戦後民主主義の限界を明らかにする。長引くコロナ禍の中、令和日本が生き延びるための道筋を示す。

 池上彰・佐藤優『真説 日本左翼史』(講談社現代新書)。保守の側から語られることが多い近現代史だが、当代きっての博覧強記の二人の対話を通して、左翼の興亡と功罪が解き明かされる。

 谷川浩司『藤井聡太論』(講談社+α新書)は、自身も史上最年少で名人位を獲得したレジェンドが、若き天才の強さの理由を分析、AIの急速な進化によって転換期を迎えた棋界の今後を語る。

 佐々木閑『宗教の本性』(NHK出版新書)は、仏教学の碩学が、宗教から科学、イデオロギーまで、「信じるもの」との向き合い方を道案内。混迷の時代、無宗教を自認する多くの日本人の心に響く。

『決定版 大東亜戦争』(新潮新書)は、波多野澄雄、戸部良一ら現代を代表する歴史家7人による上下巻。当時の政府や軍部など「こちら側」の事情だけでなく、米英中ソなど日本と対峙した「あちら側」の戦略を含め、あの歴史的失敗の構図を浮き彫りにする。イデオロギーにとらわれない、フェアな分析が重い。

新潮社 週刊新潮
2021年8月12・19日夏季特大号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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