『森林で日本は蘇る』
書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます
【気になる!】新書『森林で日本は蘇る』
[レビュアー] 産経新聞社
国内外の林業の現場に足を運んだ研究者が、日本の政策や制度が抱える問題に多様な角度から切り込んだ。例えば、国民が知らないうちに新税の徴収が決まったが、使い方がはっきりしていなかったという。
さらには、木くずなど生物資源を燃料とするバイオマス発電。本来は林地残材(山に放置される根元部分や梢(こずえ)など)を使うが、建築や家具の用材になる丸太がエネルギープラントに流れていると指摘する。補助金や再生可能エネルギーの固定価格買取制度があり、値段の高い丸太を回しても引き合うためだ。知られざる林業の実態を暴く一冊。(白井裕子著、新潮新書・792円)