政府の有識者会議が皇族数の確保策として、女性皇族の婚姻後の皇籍維持と、旧宮家の男系男子の皇籍復帰という2案を打ち出したが、皇統を守るには後者しかないと教えてくれるのが本書だ。皇室研究の著作も多い著者が、旧宮家(旧皇族)について分かりやすく解説している。
とくに、これまでベールに包まれてきた皇族と旧皇族の「菊栄親睦会」について、昭和天皇実録を基に実態を解き明かした意義は大きい。皇族と旧皇族は絶えず交流を重ね、旧皇族の皇籍復帰は自然な流れだと分かる。有識者会議のメンバーにもお勧めしたい一書である。(明成社・660円)
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2021年8月29日 掲載
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