顔や体を洗うスポンジなどとして使われるカイメンは、実は動物だ。人工のスポンジが普及した現代でも天然物として高値で取引され、その体に含まれる化合物の薬効も注目されている。
本書は「カイメンにフォーカスした、日本で初めての本」で、その生態を詳しく紹介している。カイメンにはいろいろな種類があり、あらゆる水域に生息している。筋肉はないが、1日1~4ミリ程度移動する。胃腸などの器官を持たず、体に取り込んだ水から有機物をこしとって食べるという。
カイメンを食べるウミガメなど、豊富なカラー写真が楽しい。(岩波科学ライブラリー・1760円)
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2021年9月5日 掲載
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