『20の古典で読み解く世界史』本村凌二著

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20の古典で読み解く世界史

『20の古典で読み解く世界史』

著者
本村 凌二 [著]
出版社
PHP研究所
ジャンル
歴史・地理/歴史総記
ISBN
9784569849201
発売日
2021/08/20
価格
2,013円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『20の古典で読み解く世界史』本村凌二著

[レビュアー] 産経新聞社

個人が得る経験はせいぜい100年だが、世界史を学べば人類の持つ経験は5000年に広がる。そう説くローマ史研究の第一人者が、古代から20世紀までの20の文学作品を、歴史的背景を軸に解説する。

ホメロスの2大作品『イリアス』と『オデュッセイア』の人物造形の違いから浮かぶ古代史の転換期。司馬遷『史記列伝』にうかがえる「国家や社会の秩序を乱した時点で罪」という中国の伝統的思考は、20世紀の魯迅『阿Q正伝』にまでつながっている。島崎藤村の『夜明け前』にみる近代日本誕生時の空気感など、博学の西洋史家の読みがさえる。(PHPエディターズ・グループ・2013円)

産経新聞
2021年9月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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