【気になる!】文庫『静謐 北杜夫自選短篇集』

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静謐 : 北杜夫自選短篇集

『静謐 : 北杜夫自選短篇集』

著者
北, 杜夫, 1927-2011
出版社
中央公論新社
ISBN
9784122070936
価格
990円(税込)

書籍情報:openBD

【気になる!】文庫『静謐 北杜夫自選短篇集』

[レビュアー] 産経新聞社

「どくとるマンボウ」シリーズなどのユーモアエッセーでも知られる著者の没後10年企画。昭和31~43年に発表された純文学作品など10編を収録した。

夫と死別し、子や孫らと隔たって暮らす85歳のとよが、4歳の孫・千花の来訪を待ち受けるようになり、ある日、「何遍も見た」という悪魔の話を口にする。三島由紀夫が称賛した表題作のほか、失職した男と妻、娘の心温まる日々を描く「黄いろい船」、台湾で珍種の蝶(チョウ)を追い求める採集人の物語「谿間(たにま)にて」など。

著者のファンだった今野敏の巻末エッセー「ここから始まった」も味わい深い。(北杜夫著、中公文庫・990円)

産経新聞
2021年9月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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