世界を代表する知識人に日本はどう映るのか。米国思想史研究でも知られるジャーナリストが過去にインタビューした大物たちの日本観を集め、近代日本論としてエッセーに編んだ。
外から見れば日本は戦前戦後の断絶はなく連続した国であり、著者は対話の中でいや応なくその歴史の重さを認識させられていく。
トルコのノーベル文学賞作家、オルハン・パムクが西洋化に抗する際に谷崎潤一郎を参考にしたと明かすくだりや、左派とされる米歴史家ジョン・ダワーと保守派の評論家、江藤淳の意外な交友など、貴重なエピソードも満載だ。(会田弘継著、新潮新書・792円)
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2021年9月26日 掲載
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