『毎日がストレスフリーになる「自分ほめ」』
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ストレスフリーで仕事効率もあがる「自分ほめ」活用術
[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)
「人はほめられるために生まれてきた」 これが私の信念です。
けなされるために生まれてきた人なんて、一人もいません。それぞれに長所があり、ほめられるために生きているのです。
それなのに、多くの日本人は「ほめ下手」ですし、「ほめられ下手」。
ほめることは、長所を伸ばします。せっかく長所を伸ばすチャンスなのに、限られた人生で「ほめる」力を使わないなんて、もったいないことだと思うのです。(「はじめに」より)
こう主張するのは、『毎日がストレスフリーになる「自分ほめ」』(原 邦雄 著、フォレスト出版)の著者。「ほめ育財団」を設立し、ほめ育を世界に広める活動をしているという人物です。
ほめ育とは、その名のとおり「ほめて育てる教育」のこと。ほめられて育った著者自身のバックグラウンドをベースに、社会人になってからの挫折や復活といった経験をも含めてつくりあげられたメソッドなのだそうです。
会社員時代には人間関係の悩みがたくさんあり、6カ月間も社会から離れ、転職活動がうまくいかず、あきらめかけたこともあったのだとか。しかし、毎日を「自分ほめ」で満たしている現在は、人間関係の悩みはゼロなのだといいます。
他人をほめ、自分をほめる。
この繰り返しが自分を信じる力を生み、周りがどんどん自分の味方になり、気がつけば全員が自分の応援団になってくれているのです。(「はじめに」より)
そんな本書には、自分ほめをするために有効な「自分ほめカレンダー」がついています。書かれていることを実践するだけで、自分ほめができるようになるというもの。
第3章「幸せを呼ぶ『自分ほめカレンダー』で1日1ほめ」内の「日常をほめて『気分を上げる』10日間」のなかから、いくつかを抜き出してみましょう。
「自分ほめ」を始めたことをほめる
自分ほめをやってみようと思っただけでも大きな一歩であり、つまりはその決心自体がほめる材料なのだと著者は主張しています。
人間の脳は変化が苦手なので、スタートするのはとてもエネルギーのいること。そんな苦手なことをスタートさせたのだから、たっぷり自分をほめるべきだという考え方です。
なにごとも、スタートを切らなければゴールには近づきません。ということは、スタートを切りさえすれば、その日からゴールへのカウントダウンが始まるわけです。
最初は、ゴールに到着するまでには途方もない距離があると感じるかもしれません。しかし、一歩一歩進めていけば、確実にゴールに近づいていくもの。しかも初動が早ければ、結果も早くついてくることになります。
だからこそ、「自分ほめ」を始めた自分をほめるべきだと著者はいうのです。(70ページより)
遅刻しなかったことをほめる
時間を守って行動するためには、段取りを組むことが必要。「何時になにをするのか」「必要な準備はなにか」などについて考えなければならないわけです。
しかし、どれだけ段取りよく進めていたとしても、対応に追われて時間がギリギリになってしまうなど、想定外のアクシデントは起こるもの。
そのため、「汗だくになりながら現場に駆けつけ、なんとか間に合った」ということもあるかもしれません。そんなときには自分を責めてしまいがちですが、それは充分に「ほめていいいこと」なのだそうです。
段取りを組む、想定外の出来事にも柔軟に対応する、遅れそうになってもベストを尽くす。今日のがんばりを思い出してみてください。
出社や待ち合わせに遅刻しなかった、期限までに書類を提出できた、決められた時間にゴミ出しできた。些細なことに思えるかもしれませんが、けっして当たり前のことではありません。
時間を守れた行為の陰には、そのためのたくさんの段取りとがんばりがあるからです。それらを一つひとつ思い出してほめてあげてください。(75ページより)
きょうの「自分ほめ」は、自分との信頼関係を築くためのスタートラインになるということなのでしょう。(74ページより)
後回しにしていたことをする
忙しい毎日を過ごしていると、つい「明日やろう」「あとで決めよう」などと、行動や決断を先送りにしてしまいがち。あとでやろうと思っているうち、結局はそれきりになってしまうというケースも稀ではありません。
しかし、それでも惰性に引っぱられることなくその場で行動できれば、充分にほめるに値することであるはず。
たとえば「すぐにメールの返事をした」「目についた汚れをすぐキレイにした」などができたときは、自分をほめたほうがいいのです。
「とにかく動いてみる」という習慣はとても大切。なにしろ用事はどんどん入ってくるのですから、その前に動いておいたほうがあとあと楽なのです。
とはいっても、必ずしも多くの時間をかける必要はなく、すきま時間を利用するだけでOK。掃除にしても、電話をしながら手の届く範囲をちょっと拭くだけでも、気分はかなり違ってくるはずです。
もちろん、明日やそれ以降でないとできないこともありますし、あえて1か月寝かせたほうが良い場合もあります。
しかしまったく手をつけないのは得策ではありません。今すぐ15%だけでも進めておきましょう。すると潜在意識が考え続けてくれるので、結果的に時間短縮につながります。(81ページより)
先手先手で考える習慣をつけると、時間のマネジメントもうまく回るようになるもの。その結果「忙しい」がなくなると、大量の仕事にさえ充実感を得ることができるというわけです。(80ページより)
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「自分ほめカレンダー」を利用して“1日1ほめ”を実践すると、無理なく自分ほめの習慣がつくそうです。自分と、そして他人の揺るぎない信頼関係を築くために、本書を役立ててみてはいかがでしょうか?
Source: フォレスト出版