菅野裕子、恩田陸著 「横浜の名建築をめぐる旅」

レビュー

7
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

横浜の名建築をめぐる旅

『横浜の名建築をめぐる旅』

著者
菅野 裕子 [著]/恩田 陸 [著]
出版社
エクスナレッジ
ジャンル
歴史・地理/旅行
ISBN
9784767828909
発売日
2021/07/12
価格
1,760円(税込)

書籍情報:openBD

菅野裕子、恩田陸著 「横浜の名建築をめぐる旅」

[レビュアー] 読売新聞

 建築史家と建築好き作家による横浜の近代建築案内。開港以後大都市に発展した横浜には、関東大震災や横浜空襲の大被害を乗り越えて、意外と多くの近代建築が遺(のこ)っている。

 三塔と呼ばれる昭和初期の神奈川県庁、横浜税関、大正の横浜市開港記念会館や、明治末の旧横浜正金銀行本店(県立歴史博物館)のほか、銀行・公共建築・教会・住宅の建築群が都市発展を証している。失われた膨大な建築の中でいまだ現役の建築は、使い捨てでない文化的価値を伝える。

 建築の由緒・特徴の案内文や現場を体感した作家との建築談議とともに、外観・装飾を示す写真は魅力的。明治から昭和初年の建築は、手間や予算を惜しまず百年以上先を見越して建てられたことが、魅力につながると感じた。横浜には前近代・近代の国県市の文化財建造物もまだ多く、その紹介も期待したい。(エクスナレッジ、1760円)評・佐藤信

読売新聞
2021年9月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

  • このエントリーをはてなブックマークに追加