「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること 石井志昂著

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「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること

『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』

著者
石井 志昂 [著]
出版社
ポプラ社
ジャンル
社会科学/教育
ISBN
9784591170786
発売日
2021/08/12
価格
979円(税込)

書籍情報:openBD

「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること 石井志昂著

[レビュアー] 宮部みゆき(作家)

 簡にして要を得たタイトルで、本書の内容は一目瞭然だろう。但(ただ)し、ここに書かれているノウハウは全て、中学二年生から不登校になりフリースクールに通った経験を持つ著者と、多くの不登校当事者とその親が「家庭内でもみくちゃになりながら」獲得してきたものだ。教育の専門家が頭で考えた理想論とは根本から異なる、きわめて具体的な処方箋である。

 子供の代表的な五つのSOSは「体調不良」「食欲不振」「情緒不安定」「宿題が手に付かない」「不眠」だという。なかには気づきにくいサインもある。これを感知したら、親はまず子供に何と言ってあげたらいいのか。本書では、「親としての直感を信じて」「子どもに率直に聞いて大丈夫」と説いてくる。これには驚いた。本人に直(じか)に尋ねるのは禁物だと思い込んでいたのだが、いけないのは「無理に理由を聞こうとする」ことであって、「聞きたいし、気づいているよ」と伝えるのは間違いではないのだ。

 後半に対談が二つ収録されており、通信制高校N高の生みの親・川上量生氏の語る「個別最適化された教育」の未来像が興味深い。(ポプラ新書、979円)

読売新聞
2021年9月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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