[読売新聞記者が選ぶ]『サメ映画大全』『分断のニッポン史』

レビュー

1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

サメ映画大全

『サメ映画大全』

著者
知的風ハット [著]
出版社
左右社
ジャンル
芸術・生活/演劇・映画
ISBN
9784865280340
発売日
2021/07/15
価格
2,200円(税込)

書籍情報:openBD

分断のニッポン史

『分断のニッポン史』

著者
赤上 裕幸 [著]
出版社
中央公論新社
ジャンル
歴史・地理/日本歴史
ISBN
9784121507372
発売日
2021/08/10
価格
990円(税込)

書籍情報:openBD

[読売新聞記者が選ぶ]『サメ映画大全』『分断のニッポン史』

[レビュアー] 読売新聞

サメ映画大全 知的風ハット著

 名作「ジョーズ」から日本未公開のB級作まで、サメが出てくる映画を100本以上、紹介した本である。この中の4分の1ほどしか見ていないが、全て見る必要はないと断言できる。だいたい同じ展開で、ほとんどが駄作だから。著者の忍耐力には心を打たれる。

 「トイレから飛び出すハウス・シャーク」などと聞くとちょっと見たくなるが、そんな時はこの本で粗筋を読めば十分だ。珍作、怪作のオンパレードは読んでいて実に楽しい。文章も笑わせてくれるが、実際に映画を見ると後悔するだろう。

 例外もあり、「シャークネード」シリーズや「海底47m」はお薦め。とてもジョーズに出来ている。(左右社、2200円)(梶)

分断のニッポン史 赤上裕幸著

 社会学者の著者は、あり得たかもしれない「歴史のif」を研究対象とする。

 本書は、井上ひさし『一分ノ一』など、分断された日本や、どこか一地域が独立した日本を描く小説やマンガを検討する。著者が試みるのは、「戦後」に代わる共通経験として、「分断」を捉え直すことだ。敗戦から現在に至るまでに起こりえた「もう一つの現実」である「分断」なら、戦争を知らない世代も議論に参加しやすい。

 当然視してきた思考の枠組みを揺さぶり、過去と未来のつながりを考える。最も深刻な事態にどう対処し、どう希望を描けばいいのか。著者の提唱する作業は、確かに必要だ。(中公新書ラクレ、990円)(佑)

読売新聞
2021年9月26日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

  • このエントリーをはてなブックマークに追加