「岩井勇気の実写化」は成田凌で決まり!? ジェーン・スーとハライチ・岩井が日常系エッセイを語り尽くす

対談・鼎談

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どうやら僕の日常生活はまちがっている

『どうやら僕の日常生活はまちがっている』

著者
岩井 勇気 [著]
出版社
新潮社
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784103528821
発売日
2021/09/28
価格
1,375円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

岩井勇気×ジェーン・スー・対談「エッセイを書くことの“出口”って?」

[文] 新潮社


ジェーン・スーさん

一人で行ったメイド喫茶で考えたこと

スー 読んでいて驚いたのですが、普段電車によく乗られたり、一人で映画館に行かれたりしていて、顔バレしませんか?

岩井 あまりなくて、バレても話しかけられるタイプではないというのもあるかもしれません。そういえば「これは一人で行くことだよな」と、先日初めてメイド喫茶にも行って来ました。

スー おー! どうでしたか?

岩井 メイド喫茶自体は楽しくてハマりそうな予感がしましたが、「一人で何してるんだろう、気持ち悪いなオレ」ということを常に自覚しながら話す自分が一番キモいなという意識がずっと頭から離れませんでした(笑)。

スー 自意識が邪魔をするんですね、とてもよくわかります! それでいうと、最近私は、働き出してから初めて仕事以外で充足感を得られるものに出会いました。誰かを応援することの楽しさと幸せを噛み締めながらも、ようやく訪れた“推し活”は、まさに自意識との戦いで。「なぜ私はこのアクリルキーホルダーを6個も買っているのだ、気持ち悪いな」とか考えてしまいます。やりたいことを素直にやるためのリハビリとして、フィルタをかけた自撮り写真をインスタに載せてみたり、宣伝のためのリツイートを頑張ったりもしているのですが……。

岩井 自意識に捉われすぎると不便なことがありますよね。「誰かに褒められた」とか、「○○さん(有名人)とご飯行きました」とか、僕も自分からはなかなか言えないです。

スー そういう自意識が私を私たらしめているとも思いつつ、なんのてらいもなく言えた方が人生楽しいだろうなぁと。

岩井 僕の場合、その結果として何が生まれるか、ちゃんと「お笑い」に結びつくのかということを、ついつい考えちゃいますね。

スー となると、「明日死ぬ」って思っていた方がいいってことじゃない?

岩井 いやいや、死なないんですよ~(笑)。

スー そこはやっぱり譲れない(笑)。

新潮社 波
2021年10月号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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