『クレヴィス編 「日本の世界文化遺産 写真が語る日本の歴史」』(クレヴィス)

レビュー

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日本の世界文化遺産 写真が語る日本の歴史

『日本の世界文化遺産 写真が語る日本の歴史』

出版社
クレヴィス
ジャンル
芸術・生活/写真・工芸
ISBN
9784909532640
発売日
2021/08/03
価格
2,200円(税込)

書籍情報:openBD

『クレヴィス編 「日本の世界文化遺産 写真が語る日本の歴史」』(クレヴィス)

[レビュアー] 佐藤信(古代史学者・東京大名誉教授)

 今年20件となった日本の世界文化遺産が、注目を集めている。本書は副題「写真が語る日本の歴史」のとおり、著名な写真家の写真により、世界遺産から日本史を時代順にたどる内容。

 何より入江泰吉・渡辺義雄・土門拳たち大家の文化財写真が素晴らしい。遺産の全体像は少ないものの、史跡・城跡・町並みやその背景、個々の建築・仏像・庭園のもつ「生命力」が鮮やかに切り取られている。アングルや季節の瞬間の把握は、絶妙で芸術的である。

 日本史上の意義を紹介する解説は、世界遺産登録で認められた人類にとっての普遍的価値をもっと語ってよいのでは。

 登録や建物修復より前の写真があり、古都京都・奈良の寺社・仏像に手厚いのもやや気になるが、とにかく美しい写真から歴史を想像することが楽しく魅力的。ページをめくって飽きない写真集である。

読売新聞
2021年10月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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