【聞きたい。】諏内えみさん 『もっと! 「育ちがいい人」だけが知っていること』

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【聞きたい。】諏内えみさん 『もっと! 「育ちがいい人」だけが知っていること』

[文] 森本昌彦(産経新聞社)

■マナー本にない所作伝える


諏内えみさん

従来のマナー本で満足できなかった人々の心をつかみ、50万部の大ヒットを記録している『「育ちがいい人」だけが知っていること』(令和2年)の第2弾として、9月29日に発売された。すでに5万部と好調な滑り出しを見せている。

シリーズの特徴は、これまでにない細かな疑問に応えていること。「マナーとして、決まりとして、ルールとしてあるものはマナー本を読めば分かる。そこにないものを皆さんにお知らせして、そのモヤモヤ感を解消するお助けをしたかった」と話す。

前作に続いて今作でも、「街で配られたティッシュを使うときは」「『がんばって』は逆効果」など、マナーではないけれど適切な対応術を具体的に紹介。新型コロナウイルス禍を反映し、マスクについての適切なふるまいも収録されている。生徒から寄せられた質問をもとに書かれているだけに、実践的な内容となっているのが特徴だ。

「育ちがいい人」という衝撃的なタイトルも、指導する生徒の声から生まれた。「十数年間スクールをやっていて、『私は育ちが良くないので』という言葉が皆さんから頻繁に出てくるんです。育ちは自分で作れますよということを言いたかった」と思いを語る。

堅苦しい印象のあるマナーだが、形から入ることを勧める。「例えば、お辞儀にしても『この角度だとこう思ってくれますよ』とまずコツを伝えると、相手も心地よくなるし、やっている本人が幸せになる。心から入るのって難しいですが、コツとか形とかをまずやると心もついてきます」

時代や状況、相手などによってマナーも変化するため、自分で考える力を身につけることが大切という。本書をきっかけにそのことを知り、「『相手があの方だったらどうだろうな』と考えてやっていただけたらと思います」と期待を寄せた。(ダイヤモンド社・1540円)

森本昌彦

【プロフィル】諏内えみ

すない・えみ 神奈川県逗子市生まれ。マナーや振る舞いを伝える「ライビウム」代表。テレビ番組に出演するほか、YouTube「諏内えみチャンネル」などで適切なマナーや所作を紹介している。

産経新聞
2021年10月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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