【気になる！】文庫『「世間」心得帖』

世間とは何か。下に体が付いたり、鬼がいたりいなかったりするが、その正体はつかみどころがない。著者はいう。「大学には社会学部はあっても世間学部はなくて、世間そのものは厳然としてあるのだった」

学問の対象にはならないが、日本人が年齢を重ねるうちに肌身で知ることになる世間。円熟の境に達した名随筆家が、若き日に編集者として見聞きした昭和の出版界や文士たちの人間模様、旅と食の思い出、そしてコロナ禍での世相について、うんちくを傾けたり小話風にオチを付けたりと、自在な筆運びで世間のあり方を描いたエッセー集だ。（嵐山光三郎著、ちくま文庫・８５８円）

• 坂崎重盛
• 筑摩書房
• 産経新聞社
• 嵐山光三郎
• 「世間」心得帖

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