上羽陽子・金谷美和編『躍動するインド世界の布』(昭和堂)

レビュー

1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

躍動するインド世界の布

『躍動するインド世界の布』

著者
上羽陽子 [編集]/金谷美和 [編集]
出版社
昭和堂
ジャンル
社会科学/民族・風習
ISBN
9784812221013
発売日
2021/10/18
価格
2,090円(税込)

書籍情報:openBD

上羽陽子・金谷美和編『躍動するインド世界の布』(昭和堂)

[レビュアー] 尾崎真理子(早稲田大学教授/読売新聞調査研究本部客員研究員)

 サリーやターバンで知られるインドと周辺地域の多彩な「布」は、装い、商うだけのものではない。階級を示し、信仰を託す神聖な道具であり、インド独立の際には結束を表す強力な手段ともなった。

 染織、人類学、歴史学の研究者らの成果を集めた本書は、国立民族学博物館(大阪府吹田市)で開催中の企画展を機に出版された。

 写真は、ヒンドゥー教で危機を乗り越える力を秘める女神らをまつる、ナヴァラートリの祭礼で用いる染色布。木版で黒い輪郭を押した白地に、少女が赤い液で色置きしている。中央には動物に乗った女神像。その視線のわずかな強弱でご利益に差が出るともされるから、工房まで見定めに訪れる客も多いという。

 生活風景、生産現場のスナップを多数織り込み、多種多様の色、柄にまつわる意味合いをわかりやすく、それぞれ深く解説している。

読売新聞
2021年11月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

  • このエントリーをはてなブックマークに追加