【聞きたい。】佐々木紀彦さん 『起業のすすめさよなら、サラリーマン』

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起業のすすめ さよなら、サラリーマン

『起業のすすめ さよなら、サラリーマン』

著者
佐々木 紀彦 [著]
出版社
文藝春秋
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784163914596
発売日
2021/10/26
価格
1,650円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【聞きたい。】佐々木紀彦さん 『起業のすすめさよなら、サラリーマン』

[文] 磨井慎吾

■日本は進化できず経済縮小


佐々木紀彦さん

オンライン・メディアの風雲児が今年6月、ついに自らの会社を立ち上げた。若くして「東洋経済オンライン」編集長に抜擢(ばってき)され、7年前に移籍して経済ニュースサイト「NewsPicks(ニューズピックス)」を開設した。新会社「PIVOT(ピボット)」は、ビジネス系の映像・音声・記事を制作し配信する。

「自分が全部決める形でやりたかったんですよ。自分がいいと思うことでないとやりたくないタイプなので、ならば自分で起業して経営も全部責任を持つのが筋だろうと」

独立に際しては徹底的にリサーチした。100人以上の起業家らに取材し、学んだ成功の要因や注意点を詰め込んだのが本書だ。

「5年は読まれる本にしたいと思い、細かな技術的なことよりも本質的、普遍的な話を織り込むように工夫したつもりです」

自己分析や資本政策、パートナー探しなどの具体的な話はもちろん、最も力点が置かれているのが「なぜ今の日本に起業が必要なのか」という部分だ。

「日本が過去10年以上、経済縮小や給与低下が言われているのは、スタートアップ・エコノミー(新興企業経済)が進化できなかったのが非常に大きい」

米グーグルのような有力新興企業が生まれなかった結果、旧来型サラリーマンが人気であり続けたが、そのサラリーマン社会も持続不能になりつつある。いかに現状維持とリスク回避のサラリーマン思考を脱し、イノベーションを生む能力を身につけるか。その一番の近道が起業だと説く。

新会社は「ビジネスコンテンツ・プラットホーム」を目指し、有為の人材を集めて来年2月の始動を予定する。「コンテンツ業界のドリームチームを作りたいですね」(文芸春秋・1650円)

磨井慎吾

   ◇

【プロフィル】佐々木紀彦

ささき・のりひこ PIVOT創業者。昭和54年、福岡県生まれ。慶応大卒、米スタンフォード大大学院修了。東洋経済新報社に入社し、平成24年に「東洋経済オンライン」編集長。26年移籍し「NewsPicks」編集長に。著書に『米国製エリートは本当にすごいのか?』など。

産経新聞
2021年12月6日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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