【児童書】『3人のパパと3つのはなたば』クク・チスン作、斎藤真理子訳

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3人のパパと3つのはなたば

『3人のパパと3つのはなたば』

著者
クク・チスン [著]/斎藤真理子 [訳]
出版社
ブロンズ新社
ジャンル
芸術・生活/絵画・彫刻
ISBN
9784893096999
発売日
2021/10/07
価格
1,540円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【児童書】『3人のパパと3つのはなたば』クク・チスン作、斎藤真理子訳

[レビュアー] 正木利和(産経新聞編集委員)

■子供たちを愛するパパ

花束を花屋で買う機会というのは、人生にこれまで何度あっただろうか。ふと思い返してみたのだが、同僚の異動のときなど、これまで片手の指ほどしかない。周囲に聞いても、同じようなものだった。

この本に登場する3人のパパは、みんな「キム」という名字なのだけれど、それぞれ宅配便の運転手、小児科の医師、建設会社の課長と仕事はまちまちで、今日も忙しく一日を過ごしている。ところが、その多忙な日に、3人のパパは仕事の合間や昼休みにそれぞれが花束を買う。

花束を脇に置きながら、やっと仕事が終わる。しんしんと雪が降る中、パパたちは家路へ…と思ったら、みんなが寄り道する。行き先は子供たちが通う、小さな音楽会が行われている同じ幼稚園。花束を贈られた子供たちも、贈ったパパたちも浮かべるのは笑顔だ。

仕事に追われる3人の姿は、どこか身につまされる。だからこそ、子供たちに読んでほしい。パパたちは毎日たいへんだけれども、君たちをこんなにも愛している。(ブロンズ新社・1540円)

正木利和

産経新聞
2021年12月6日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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