『わが体験的コリア論 覚悟と家族愛がウソを暴く』
- 著者
- 西岡 力 [著]
- 出版社
- モラロジー道徳教育財団 出版部
- ジャンル
- 社会科学/政治-含む国防軍事
- ISBN
- 9784896392777
- 発売日
- 2021/11/10
- 価格
- 1,980円(税込)
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【聞きたい。】西岡力さん『わが体験的コリア論 覚悟と家族愛がウソを暴く』
[文] 森本昌彦(産経新聞社)
■許せない悪に沈黙できぬ
慰安婦問題をめぐる誤った報道や主張と戦い、不当にさらわれた拉致被害者救出のため北朝鮮と対峙(たいじ)し続けている著者が、自身の思いも交えてこれまでの活動の秘話を明かした。本書について、「これまでは自分の主観的な思いは書いてこなかった。モラロジー道徳教育財団で教授になって道徳を考えるようになり、なぜこの研究をするのかという動機などを書いてみようと思いました」と語る。
韓国研究の師匠から、慰安婦問題に取り組むことを心配されたり、北朝鮮による日本人拉致が「金正日(キム・ジョンイル)総書記の命令によって起きた」と書くことに怖くなったり…。当時の赤裸々な思いがつづられている。
高校時代には、長髪にジーンズという姿で、ベトナム戦争に反対するデモに参加していた。ところが、大学3年のときに韓国に交換留学し、北朝鮮の実態を聞いて衝撃を受ける。
「共産主義は嘘もつくし、人も殺すし、拉致もする。それに対して日本の言論界や学界があまりにも甘く、共産主義の側に立っていることが分かりました」
やがて、慰安婦問題や拉致問題に身を投じたが、その相手はあまりに巨大だった。日本を代表する言論機関である朝日新聞社や、凶悪なテロも辞さない北朝鮮。それでも、「世の中には許せない悪、守るべき善がある。祖国・日本が嘘によっておとしめられ、暴力で家族が引き離されていることが分かったとき、黙っていては駄目だ」と立ち上がった。
活動の結果、拉致被害者5人が帰国し、朝日新聞は慰安婦をめぐる記事の一部を取り消した。だが、いずれの問題も完全解決には至らず、最後まで取り組むことを固く決意している。そのうえで、もう一つ抱負を話した。「韓国が自由民主主義陣営から離れていってしまうのかどうかを、もう少し取材して書きたい」(モラロジー道徳教育財団・1980円)
森本昌彦
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【プロフィル】西岡力
にしおか・つとむ モラロジー道徳教育財団教授。昭和31年、東京都生まれ。東京基督教大教授を経て、平成30年から現職。「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)」の会長なども。