古代から現代まで、戦略思想はどう紡がれてきたのか。孫子(孫武)、マキャベリ、ジョミニ、クラウゼヴィッツ、マハン、リデルハートの6人に焦点を当て、軍事的視点から、その思想のエッセンスをコンパクトにまとめた。
「軍事をメインとする戦略思想は、日本においてはいまでも特殊な扱いを受けており、社会のメインストリートには出てこない」。本書で著者はそう説く。
平和国家をうたう日本だが、中国や北朝鮮などに囲まれ、安全保障環境は不確実性を増している。そんな時代だからこそ、先人の知恵を抽出した本書には一読の価値がある。(ちくま新書・946円)
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2021年12月12日 掲載
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