【聞きたい。】佐々木淳さん 『在宅医療のエキスパートが教える年をとったら食べなさい』

インタビュー

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在宅医療のエキスパートが教える 年をとったら食べなさい

『在宅医療のエキスパートが教える 年をとったら食べなさい』

著者
佐々木淳 [著]
出版社
飛鳥新社
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784864108201
発売日
2021/12/08
価格
1,400円(税込)

書籍情報:openBD

【聞きたい。】佐々木淳さん 『在宅医療のエキスパートが教える年をとったら食べなさい』

[文] 平沢裕子


佐々木淳さん

■高齢者は「ちょい太め」が健康

「日本の高齢者はやせ過ぎ、食べなさ過ぎです。もっとしっかり食べてください!」

こう訴える著者は、在宅医療の専門家として6000人超の高齢者を診てきた医師。日頃接する高齢者の多くが、「カロリーの取り過ぎはよくない」「血圧や血糖値はとにかく下げるべきだ」といった「間違った常識」にとらわれ、かえって健康を損ねている現状をみかねて本書を出版した。

「メタボが健康によくないのは若い人の話。高齢になって体が衰えてきたときには、むしろたくさん食べて体重を増やす方が健康で長生きできることが医学的にも分かっている。65歳を過ぎたら、『ちょい太め』を目指す方が健康にいい」

とはいえ、これまで「健康のために太るな」とたたき込まれてきた多くの高齢者にとって、「太った方が健康にいい」とはにわかに信じがたいかもしれない。

しかし例えば、22ぐらいが最も健康によいといわれるBMI(体格指数)は、30~59歳を対象にした健診データから導き出された値で、高齢者はカウントされていない。「BMI22が健康にいい」は高齢者には当てはまらないのだ。高齢者については文部科学省が65~79歳を対象に調査しており、「ぽっちゃり」や「軽度肥満」とされるBMIが一番死亡リスクが低いという結果が出ている。

また、在宅高齢者が救急車で緊急入院する原因で最も多いのは肺炎、次いで骨折だが、実はいずれも低栄養による「やせ」が大きな原因だ。高齢者に多い誤嚥(ごえん)性肺炎も、食事量の減少に伴う筋肉量の減少が関与している。これらを未然に防ぐ手立てはただ一つ、「しっかり食べること」という。

「食べることは生きること。高齢になり、食事中にむせたり歩く速度が落ちたりしていたら健康管理のやり方を切り替え、塩分やカロリーを気にしすぎず、好きな物を好きなだけ食べてほしい」(飛鳥新社・1400円)

(平沢裕子)

   ◇

【プロフィル】佐々木淳(ささき・じゅん)

医師。昭和48年、京都市生まれ。筑波大卒業後、三井記念病院に勤務。平成20年、医療法人社団悠翔会理事長に就任し、24時間対応の在宅総合診療を展開している。

産経新聞
2021年12月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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