10代の10人に1人が発症するとされる「起立性調節障害」を経験した著者が半生を振り返るエッセー漫画。この病気は、起きたときの激しいめまいや動悸(どうき)が特徴。著者は中学生のときに本格発症して通学できなくなり、学業や人間関係に支障をきたす。当時の傷つけられた言葉や自身の負の感情も本作で隠さずに描いており、この病気が「甘え」ではないことが分かる。
困難な状況でも、漫画家になる夢をかなえるため努力する著者の姿に感銘を覚える。同じ症状で苦しむ人にも励みになるはずだ。(月本千景著/中央公論新社・1430円)

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2021年12月19日 掲載
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